磁器の上絵付けに使う絵の具は、金属などの鉱物や顔料などの発色材料とガラスを混ぜて細かく粉砕したもので、きめ細かな粉末状です。
これをタイルなどの上で、メディウムという少し粘り気のある透明の溶剤で練り、ペースト状にして着色します。
メディウムには水溶性のものと油性のものがありますが、ポーセラーツでは、臭いが少なくスポンジングがしやすい水溶性のものを主として使います。しかし「アウトライン転写紙」を焼き付けて、白磁に直接上絵の具で筆描きするチャイナペインティングに近い技法には油性メディウムを使います。この点については後ほど詳しく触れる予定です。
着色の主な手段はスポンジングという技法を使います。
写真のように先端にクリップが付いたスポンジばさみで専用のスポンジを挟み、練った上絵の具を少しづつつけて、ポンポンと軽く叩くように繰り返してつけていきます。濃くしたいときは念入りにつけますが、薄くしたいときはうっすらとつけるか、白を混ぜて色そのものを薄くします。スポンジングを薄くするよりも白色の絵の具を混ぜて色自体を薄くして念入りに塗った方がきれいに仕上がるようです。
先端につけるスポンジによって仕上がり具合がかなり違います。化粧用のスポンジや、台所のスポンジなど、いろいろ使ってみたけど駄目みたい。
目が細かすぎても荒すぎても駄目なんですね・・・
ラバースポンジを切ったものはカット面を使うときれいに仕上がるよ
スポンジングでは、色をつけたい部分とそうでない部分がありますから、その区切りをつける方法として次のようなテクニックがあります
下の写真のように、あらかじめマスキングリキッドという特殊インクで
境界線を描いておく方法です。
マスキングリキッドは、濃い緑又は赤色の粘液で、筆にたっぷりとつけて描きます。しばらくするとパックのように、乾いて膜状になるのでスポンジングをしたあとに、この乾いた膜を剥ぎ取ればきれいに境界線が描けるというものです。
水溶性のメデュウムを使うときは緑色、油性メデュウムの場合は赤のマスキングリキッドを使います。
マスキングリキッドを
筆にたっぷりつけて
境界線を描きます
上絵の具を練って
スポンジングします
この通り!
スポンジングが終わったら
マスキングリキッドを剥がします
薄過ぎると剥がすとき切れやすいので
たっぷりとインクをつけて描くのがコツ
ペンキやさんがよく使う方法ですね。
紙テープなどを貼っておく方法です。
ポーセラーツのマスキングテープは柔軟性があって、曲線を描くのに
貼りやすいテープです。
又、同様のもので切り抜いて使うシート状のマスキングシートというものもあります。テープの端を内側に折り返しておくと、剥がすときに便利です。
ステンシルシートという水に強い合成紙を好きな柄に切り抜き
白磁に仮止めしてスポンジングします。
スポンジングが終わってから、はずしやすい様あらかじめつかむ場所を
作っておきましょう
白い部分が
テープを貼って
あったところです
受講生 多胡さんの作品
ステンシルシートは
何度も洗って使えるので
このように色違いの
シリーズものも量産?できます
インストラクター 山村 実さんの
受講中の作品
スクラッチとは、引っ掻くという意味。水溶性メディウムで溶いた上絵の具は、塗布した後、乾燥してもちょうどガラス面に練り歯磨きで絵を描いたような状態なので、手などで触れると容易に剥げてしまいます。この性質をうまく利用したのがスクラッチ。あらかじめ一面にスポンジングした後、竹串などで不要な部分を剥がしていくという方法です。
一度に大量に剥がすとモロモロが出るので、慎重に丁寧に少しずつ不要な部分を取るように剥がし、あまり貯まらないうちに吹き飛ばしながら削っていきます。剥がすための小道具は、思いついたら何でも使ってみましょう。たとえばシュロの箒(ほうき)とか、櫛(くし)とか、材質により、思わぬ効果が期待できるかもしれませんよ。
それからこれも、一種のスクラッチですが、大小、三角に尖ったもの等、市販の綿棒は使いようによっては貴重なアイテム。
状況に合わせて使い分けをしましょう。
マスキングリキッドやテープ、ステンシルでの最終仕上げにも役に立ちます
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