転写紙には、
  オリジナル転写紙と、オープンストック転写紙があります
絵付けの方法はさまざまですが、ドイツのマイセンのように、手描きを伝統として貫いているメーカーは比較的少なく、現代の市販の磁器の大半が転写紙というものを使って彩られていることを知る人は少ないようです。
このコーナーでは、ポーセラーツでメインとなる絵付け技法「転写紙」=デキャール について少し掘り下げてみたいと思います。
オリジナル転写紙は、文字通り陶磁器メーカーが自社製品の陶磁器を売り出すために独自の絵柄を作って、自社製品にのみ使用するためにつくるものです。ミントン、ジノリ、ウェッヂウッド、ロイヤルコペンハーゲン、エルメスなどなどブランド商品のほとんどはこのオリジナル転写紙で製造されており、むろん門外不出です。

ところで転写紙は、主にシルクスクリーン印刷やリトグラフ(版画)印刷によって作られますが、転写紙に限らず、ほとんどの印刷物はコストの大半がデザインや製版に費やされるため、同じものを大量に作らないと1柄あたりのコストが割高なものになってしまいます。
そこで、自社でも使うが、一部中小陶磁器メーカーにも横流しするとか、最初から転写紙メーカーが、陶磁器メーカー向けにいろいろな柄を取りそろえて売り出すタイプのものなどがあり、いわば誰でも手に入れることのできる転写紙があるのです。
これを業界ではオープンストック転写紙と呼び、世界中には無数のオープンストック転写紙があるわけです。

ポーセラーツで使用している転写紙は日本ヴォーグ社から教材としてこれらのオープンストック転写紙の中から選りすぐったものを主体に販売されているのですが、最近ではポーセラーツのオリジナル転写紙というものも多くなっており、中には磁器メーカーなどからもうらやましがられるほどの良い製品が登場しています。
又、オープンストックのものはあくまで陶磁器メーカーなど本業向けのものですので、現時点では手芸店などで売られているケースはほとんどありません。しかし近い将来、ポーセラーツ人口がある程度増えて採算ベースになるとにらんだ店舗ではこれらを趣味用へと転用して本格的に販売を始めるかもしれませんね。
ただ、あくまでも「ポーセラーツ」という言葉はヴォーグ社のロゴ、すなわち商標的なものですので、ポーセラーツサロンで採用しているものは日本ヴォーグ社のものであることが基本です。
もちろんポーセラーツコンクール等への出品は認められていませんし、
ポーセラーツ倶楽部の規約では、あくまでも教材には指定教材(ポーセラーツカタログにあるもの)のみを使用することとなっていますので念のため。
転写紙とは吸水性のよい紙(台紙)に水溶性のノリを印刷し、その上にガラスや金属その他の鉱物や顔料などを細かく粉砕した粉を特殊な溶剤で練ったインクで印刷、さらにその上からガラスの皮膜となるような薄いガラス層を印刷して、最後に薄いアクリル樹脂膜のカバーコートを覆いかぶせるように印刷したものです。
(装飾用絵皿に限定した目的の転写紙等の場合にはガラス層を印刷してないものもあるようですがほとんどの転写紙には食品衛生上ガラス層が印刷されているようです)

使い方はいたって簡単です。必要な絵柄部分を台紙ごと切り取り、水にしばらく浸すと台紙が水を吸い込んでノリが溶け、カバーコートと印刷インク部分が台紙から剥がれます。このとき台紙ごと絵付けしたい場所にあてがい、台紙を横にすべらすようにしながら抜き取ると、インクとカバーコートだけが磁器の表面に残ります。この時点では、白磁とのあいだに水を含んでいるため自由に横滑りしますから、目的の位置にずらして移動し、場所が決まったらティッシュで押さえて水分を取り、さらにスキージー(ゴムへら)や、ワイプアウトツール(先端にゴムへらが付いたペン状の道具)を使ってしわにならないように伸ばしながら水分を完全に追い出すと、しっかりその位置に固定されます。
このまますぐに焼成してもあまり問題はありませんが、念のため半日〜1日以上かけて充分乾かしてから焼成した方が良い結果が得られます。私の経験では乾かしすぎということで問題が発生したことはありません。1週間でも2週間でも、放置していて構わないようです。一緒に焼成するものが何点か揃うまでそうしておくことはよくあります。
焼成すると、表面のカバーコートは450度位までに蒸散し無くなってしまいます。又、650℃から800℃で色成分を含んだガラスの粉は溶け、軟化した表面の釉=ガラス質の表面又は中程あるいは下に溶け込んで融着します。(表面、中程、下と書いたのは、釉の性質、温度条件によるためです)
色紙のような転写紙で金、プラチナを含めて現在32色あります。
自由な形に切り取ったり、パンチで打ち抜いたりして使います。
後述の上絵の具よりきれいに仕上がりますが、広範囲の曲面には少し難しいかもしれません。白磁を熱めの湯につけて暖めてから貼ると転写紙が良くのびて貼りやすいのですが、のびすぎたら縮まないので要注意!
図のような濃淡のある転写紙で5種類あります(ノリタケ製)
この転写紙については上絵の具の項で詳しく説明しています
あらかじめ白磁に、この転写紙を貼り、乾かすと表面が画用紙のようにざらつくので、セラミックペンシルを使って色鉛筆画風の絵が描けるほか、上絵の具を使って水彩画風の絵を描くことができます。

半透明の薄くて白い転写紙です。貼るときはざらついているのでティッシュでこすらず、大きめのスキージーで軽く伸ばすように水抜きしましょう。
強くこすると破れるおそれがあります。
最近発売された細目タイプの方が繊細な絵が描きやすいです。
下の画像が見えますでしょうか?白無地転写紙に、このように細く薄いアウトラインが印刷されたもので、好きな柄を切り取って貼り、焼成すれば、輪郭が焼き付けられるので筆で描くのも簡単です。焼成する前に描くこともできますよ
一面に、柄が連続して印刷されており、どの部分でも任意に切り取って使える転写紙を総称してこう呼びます。ドーナツ型に切ってリムの部分に貼ったり、細かな柄を切り分けて使うなど、元の柄からは想像もできないようなイメージになることがあります。用途が無限大に広がる超おすすめの転写紙です。
英字新聞や大理石模様、花柄。ペイズリー、バロック柄など、写真に含まれるような美しい絵柄が一面に印刷されたもので、20種類くらいあります。
これらは、正確な色見本ではありませんが、こんな感じで全25色、
画面では紹介できないシャンパンゴールドやシャンパンシルバー、
金、プラチナ、ペパーミントや、ライムグリーンなど、
パステル調の新色も発売され、益々充実してきました
(プラチナと金以外はA4サイズ)
写真ではありませんので色や柄は正確ではありません。
こんな感じという風にとらえてください。
サイズは20cm×27cm、一つの四辺は10cmです
磁器に絵をつける方法の基本として下絵付けと上絵付けがあります。
長石を練って整形し素焼きしたあと、すなわち施釉の前に色や絵をつけることを下絵付けといい、染め付けとも呼ばれます。これに対し、施釉してつるつるになった白磁の表面に色をつけたり絵をつけたりすることを、上絵付けといいます。また、釉薬そのものに着色してあるものは色釉と呼ばれます。

市販されている磁器の食器類の多くは、上絵付け方式で作られています。下絵付けは、素焼きの生地が水分を吸収するため、細やかな絵付けが難しいためで、青一色の地模様や比較的簡単な絵柄のものが多いです。
ポーセラーツで行う上絵付けの技法は、磁器製造業者のやりかたとほとんど変わりありません。
それがデコパージュなどと違って装飾目的だけでなく「実際に使える食器を作ることができる」というポーセラーツの大きな魅力のひとつであるといえるでしょう。
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これらは焼成後の色見本です
赤〜ピンクなどは
焼成前は茶色っぽく見えますが
焼くときれいな色になりますよ
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